雨傘が日傘に変わった日

 その日の予想は雨だった。
 これは「第18回まちづくり探検隊」の行政境探検シリーズ第1回目の楽しい探検記です。

 前日までにコースの下見実踏を含めパンフ作り、各ポイントの事前依頼、参加者の募集、広報誌などへの掲載など準備は整えたものの、参加者は本当に来るだろうか。天候が悪いときの判断はどうするのか。けが人が出たときは。など心配は尽きぬものがあった。しかも、前日就寝するときは大いに雨が降っていた。

 当日、朝起きるとなんとなく曇り空。でも、時間とともにどのような天候になってもおかしくない梅雨特有の状態。
 はやる気持ちを抑えながら目的の集合場所である三鷹駅南口デッキ上に9時半到着。10時集合であったが、すでに参加者が来ていた。ちょっと感激。

 定刻の10時には参加者の18人とガイド役の2人(みたか観光ガイド協会)スタッフ3人の総勢23人がすべて予定通り揃い、デッキ上で駅南口の変遷の解説から探検は始まった。今回のコースは駅から北西に行政境を逆時計回りに回り、終着地点は国際基督教大学である。参加者の平均年齢は結構高い。しかし、並みの高齢者ではない。服装を見てもその違いがわかる。鍛えている。あなどれない。

 前半は武蔵野市との境である玉川上水沿いを歩いた。都会の喧騒を離れ、つかの間のゆったりとした気分で歩くことができた。大きな樹木、水辺、吹き抜ける風。決して建物だけでは創ることができない環境がここにはあった。かなり感激。

 途中、3市にまたがる地点、あるいは2つの住所を持つ建物など興味深いポイントが数多くあった。住宅地の市境を歩くころには日差しも強くなり、すかさず女性たちは持参した雨傘を日傘代わりに広げていた。しかし、アスファルトからの照り返しや、高い湿度は如何ともしがたく、うんざりするほどであり、歩行中の楽しい会話も途切れがちであった。

 最終地点である国際基督教大学の大木の森が家々の屋根越しに見えたとき、私には砂漠の中でオアシスが見えたようであった。目指す場所がすばらしい場所だと力も沸くものである。だいぶ感激。

探検隊は知っているようで知らないことを多く学ばせてくれる企画であった。振り返って私にとっての探検は、コースの選定、実施日などの会議を行った2ヶ月前から始まったと悟ったのは、大学から三鷹駅行きのバスに乗り、ほど良い揺れに体を任せている時であった。

次回の探検隊は本年の秋に「行政境探検シリーズ第2回目」として開催されるでしょう。次回も多くの人に参加していただき、各々の視点で「我がまちみたか」を発見してもらいたい。(か)