太宰治の肖像−生誕100年記念写真展−


太宰治の肖像−生誕100年記念写真展−」が開催されています。この展覧会は、太宰さんの肖像写真に焦点をあてた大変珍しい特別展です。


陸橋でとんびを着た太宰さん、頬杖をついた太宰さん、有名な肖像写真は写真家の田村茂氏によるものです。八雲書房版『太宰治全集』の口絵用として、太宰さんの亡くなる4ヶ月前の1948年2月に撮影されました。当時田村茂さんも三鷹に住み、太宰さんとは三鷹駅前の小料理店「千種」でお酒を飲むこともあったそうです。特筆すべきことは、この一連の作品27点がすべて公開されている点です。この全作品が公開されるのは初めてとのことです。会場で27枚の作品を連続して眺めてみると、なんだか太宰さんがそこにいて動いているのをみるような錯覚を覚えました。

そのほかにも家族と一緒に自宅でくつろいだ表情をみせたり、ちょっとおどけた表情で写っている写真などが年代別に展示されています。さらに、壁にかかる当時の写真と、会場の中央付近の現在の三鷹の写真という「過去と現在」のコントラストにも工夫が見られます。

みたかのみかた」創刊号から専属カメラマンとしてなくてはならない存在である、古賀親宗氏の写真も展示されています。太宰さんゆかりの三鷹のスポットの「今」を切り取った作品の数々は、「太宰治の肖像」の美しいシンフォニーの一端を担っています。

会場は、三鷹市芸術文化センター地下のアートスタジオ。ゆったりと明るい空間で、じっくりと展示をたのしむことができます。しかも入場無料です。まずは足をお運びください。大学の先生や作家の方の語る太宰さんに関するビデオもたっぷり上映しています。

2009年11月14日(土)〜12月23日(水・祝)
【開館時間】 10:00〜18:00
【休館日】 月曜日(11月23日は開館)・11月24日(火)・25日(水)
【観覧料】 入場無料
【会 場】 三鷹市芸術文化センターB1F アートスタジオ
【主 催】 三鷹市三鷹市教育委員会・(財) 三鷹市芸術文化振興財団