グランド

 三鷹には、横河電気という大きな会社があります。その会社の前にまた大きなグランドがあります。普段多目的に使用されているようで、主にはサッカーか野球などの球技が行われております。

 ところで、このグランドです。この話、だれが創ったのかは知らないですが、大昔、この地に大男が住んでいて、その男の足跡が残ったものとかなんとか、という伝説があるのです。もちろんこの話をして、なん十へえを鳴らすような小学生は、どのくらいいるかどうか、わかりません。実際は、武蔵野市が発行している、季刊『むさしの』で、長沼石根さんがしっかり種明かしをしています。このグランドを含め一帯の土を中央線、いや「甲武鉄道」の建設に使用して、その跡地を利用したものですが、なんでまた伝説のおはなしでは、よりによって「大男の足跡」だったのでしょうかね。そんなやついるわけないだろうと、まあいいや。

 お話は、とある日曜日に移ります。
 
 そのグランドをふと見やると、サッカーの試合をしていました。対戦は、地元横河電気と、柏レイソルでした。たぶんユースかなにかの練習試合でしょう。試合は0対0、そのまま見ていると、両者ともシュート打てども打てども全然ゴールを割らず、失礼ながら、彼らの先行きが思いやられてきます。そのまま90分フルに戦って、結局点が取れず0対0のままで、一応やっぱりやるんですね、PK戦に突入します。

 またこのPK戦も、なんだかなかなか決まらず、見ているほうはだんだん飽きてきます。最後は、どうも気付いたら終わってまして、どうやら地元横河が勝ったようでした、やれやれ。(ふ)