三鷹人の特権  総武線に乗って

どの電車に乗ろうか、選び放題なのは三鷹人の特権。でもお急ぎでないのなら、総武線を強くおすすめします。これから出てくる総武線とは、あの銀色にカナリア色の中央・総武緩行線のことです。

せっかくのお休みなら、たまにはのんびり行きましょう。どうか総武線にお乗りください。東西線回りではだめですよ。電車に乗り込んだら、必ず先頭車両へ。そして、すかさず運転士さんの後ろの窓をキープです。

横の窓から見える富士山もいいけれど、目の前に真っ直ぐに広がる風景は他の路線では味わえない良さがあります。

総武線は、どの電車も前面が一面のガラス張り。東西線は、当たり前ですが地下鉄なので、非常脱出用のドアが前面についていて、視界をじゃまします。そういうわけで、東西線ではだめなのです。

「世界は自分のもの」とまではもちろんいきませんが、「この電車は自分のもの」くらいの感覚はあります。この際、左手前方に見える運転士さんはおかかえ運転手くらいに思うことにします。

この機会に、運転士さんも観察してみましょう。線路上には信号機が付いていて、指差し確認が義務のようです。人によってそのタイミングが微妙に違うので、心の中でタイミングを当てるという地味な遊びも楽しめます。同行者がいたら、速度計に注目してその区間の最高速度当てなんかも楽しめます。どちらも地味すぎるので特別おすすめはしませんが。

お仕事中、背後からじろじろと見つめ、運転士さんには申し訳ないけれども、流れる景色と共に、運転士さんにもつい見とれてしまいます。子供や一部の大人が、その仕草を真似る気持ちが少しわかるような気もしますが、大人なのでここは我慢です。

そんなこんなしているうちに、目的地を過ぎてしまうこともたまにありますので、ご注意ください。

夜は運転士さんの後ろの窓にブラインドが下ろされてしまいますので、総武線の先頭車両最前線は、どうぞ昼間にお楽しみください。(ち)